会社に勤める美容師の副業と確定申告は、インスタなどで得た「収入」ではなく「所得」で要否を見ます。国税庁の案内では、給与を1か所から受けている人は、給与と退職以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は原則として不要とされています(国税庁 No.1900)。ただし、住民税の申告は別に必要になる場合があります。
この記事では、2026年10月26日に国税庁・総務省・自治体の公式ページを開いて確認できた範囲だけで、20万円の目安の意味、収入と所得の違い、経費の考え方、住民税の徴収方法の選択、申告期限を順に整理します。個別の税額や、勤務先への伝わり方は断定できないため、最後に税務署・住所地の市区町村・税理士へ確認する手がかりを置きます。
収入と所得の違い|20万円の判定は何で見るのか
収入は副業で受け取った金額の合計、所得は収入から必要経費を差し引いた金額で、20万円の判定に使うのは所得です。
国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」では、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超えるかどうかで申告の要否を分けています。売上や入金額そのものが基準ではありません。雑所得のうち業務に係るものは「総収入金額-必要経費」で計算すると、国税庁の「雑所得」のページに書かれています(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人、国税庁 No.1500 雑所得、いずれも2026年10月26日確認)。
たとえば、インスタ経由の撮影や講座、物販などで入金があった場合、まず入金額を年間で合計し、そこから副業のために使った費用を引いた額が所得になります。費用を引く前の金額と、引いた後の金額を混同すると、申告が必要かどうかの判断がずれます。
| 用語 | この記事での意味 | 20万円の判定に使うか |
|---|---|---|
| 収入(総収入金額) | 副業で受け取った金額の合計 | 使わない |
| 必要経費 | 副業の収入を得るために使った費用 | 収入から差し引く |
| 所得 | 収入から必要経費を引いた金額 | 使う(給与所得・退職所得は除く) |
会社員の美容師が所得税の確定申告をしなくてよい条件
給与を1か所から受け、その給与の全部が源泉徴収される会社員は、給与と退職以外の所得の合計が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告をしなくてもよいとされています。
国税庁の「確定申告」のページには、給与の収入金額が2,000万円以下で、給与を1か所から受けていて、その給与の全部について源泉徴収される人のうち、給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下である人は、確定申告をしなくてもよいと書かれています。一方、「給与所得者で確定申告が必要な人」のページには、給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象である場合、各種の所得金額の合計が20万円を超える人は確定申告をしなければならないとあります。ここまでの内容は、2026年10月26日に国税庁 No.2020 確定申告と国税庁 No.1900で確認しました。
注意したいのは、20万円以下が「申告を要しない」という規定であって、申告をしてはいけないという意味ではない点です。国税庁の質疑応答には、医療費控除などで還付申告をする場合は、20万円以下の所得も併せて申告する必要があると書かれています(国税庁 No.1900 確定申告を要しない場合の意義、2026年10月26日確認)。
| 勤め方・状況 | 国税庁の案内 | 確認先 |
|---|---|---|
| 勤務先が1か所で、給与の全部が源泉徴収されている | 給与・退職以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要。20万円以下なら原則として不要 | 国税庁 No.1900 |
| 給与を2か所以上から受けている | 年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要。判定の式が変わるため、同じページの条件を読む | 国税庁 No.1900 |
| 医療費控除などで還付申告をする | 20万円以下の所得も併せて申告する必要がある | 国税庁 No.1900 質疑応答(上の段落にリンクあり) |
所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要になる理由
住民税は市区町村へ納める地方税で、所得税の20万円の基準がそのまま使えるとは限らず、副業の所得がある人は住民税の申告が原則として必要と案内している自治体があります(例:さいたま市)。
総務省の「やさしい地方税」では、個人住民税は、その年の1月1日時点で住所がある市町村(都道府県)の人に課され、前年1年間の所得から計算されると説明されています(総務省 やさしい地方税 個人住民税、2026年10月26日確認)。
自治体の案内の例として、上尾市は、所得税では給与所得以外の所得が20万円以下なら確定申告が不要だが、住民税は給与所得以外の所得があれば所得の多寡にかかわらず申告が必要としています。さいたま市は、税務署に所得税の確定申告書を提出する人は原則として改めて市役所へ申告する必要はなく、確定申告をしない場合は副業の所得について市役所へ申告するよう案内しています。副業の勤務先から給与を受け、その勤務先がさいたま市へ給与の支払いを報告している場合は、改めて申告する必要はないとも書かれています(上尾市 給与所得以外の所得が20万円以下の場合、さいたま市 副業の所得が20万円以下の場合、2026年10月26日確認)。
この記事で開いたのは上の2市の案内だけです。取り扱いの細部は自治体ごとに違う可能性があるため、自分の住所地の市区町村の個人住民税の担当課で確かめてください。
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副業の所得の区分と、経費の考え方
副業の所得は、営利を目的とした継続的なものであれば雑所得のうち業務に係るものに当たる場合があり、区分は事実関係で決まるため、迷うときは税務署で確認します。
国税庁の「雑所得」のページは、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が雑所得に該当する例だと書き、業務に係るものを「副収入のうち営利を目的とした継続的なもの」としています。事業所得は、サービス業などの事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得で、総収入金額から必要経費を引いて計算するとされています。どちらに当たるかは、収入の性質や続け方によるため、この記事では判定しません(国税庁 No.1500 雑所得、国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ、2026年10月26日確認)。
経費については、国税庁の事業所得のページに、必要経費は収入を得るために直接必要な費用であり、家事上の経費は必要経費にならない一方、家事上の経費に関連する経費のうち業務の遂行上必要な部分を明らかに区分できる場合は、その部分が必要経費になると書かれています。たとえば、仕事と私用の両方に使う持ち物やスマホは、副業に使った部分を区分できるかが論点になります。区分の方法や割合は、このページには示されていないため、税務署や税理士に確かめてください。
雑所得には、もう一つ知っておきたい取り扱いがあります。国税庁の「雑所得」のページには、雑所得の金額の計算上生じた損失は、他の所得の金額と損益通算ができないと書かれています。副業が赤字でも、本業の給与から引いて税金を減らす計算にはならない点に注意してください。
仮の例で確かめる|所得が20万円を超えるかどうか
収入から必要経費を引いて所得を出し、その所得が20万円を超えるかどうかを見れば、所得税の確定申告が必要かの入口が分かります(国税庁 No.1900)。
次の2つは、仕組みを確かめるための仮の例です。金額は実在の人や実績ではなく、経費として認められるかどうかも示していません。給与を1か所から受け、その給与の全部が源泉徴収されている会社員という前提で、他に給与・退職以外の所得はないものとして計算します。
| 仮の例 | 副業の収入 | 必要経費 | 所得(収入-経費) | 20万円との比較 |
|---|---|---|---|---|
| 例A | 年間18万円 | 6万円 | 12万円 | 20万円以下。所得税の確定申告は原則として不要(国税庁 No.2020)。住民税は住所地の案内を確認 |
| 例B | 年間24万円 | 4万円 | 20万円 | 20万円ちょうど。「20万円を超える」には当たらず、20万円以下に含まれる(国税庁 No.1900、No.2020の文言) |
| 例C | 年間30万円 | 8万円 | 22万円 | 20万円を超える。所得税の確定申告が必要(国税庁 No.1900) |
例Aでは入金額が20万円に近くても、所得は12万円です。例Bは所得がちょうど20万円で、基準を超えません。例Cでは経費を引いたあとでも22万円で、基準を超えます。経費の額は、領収書や記録で説明できる範囲でなければ意味がありません。判定の根拠は、国税庁 No.2020 確定申告などの国税庁のページです。
住民税の徴収方法|勤務先に伝わる経路として語られる点
個人住民税の納め方には、会社が給与から天引きする特別徴収と、自分で納める普通徴収があり、給与・公的年金等以外の副業の所得分の徴収方法は申告の際に選べると国税庁が案内しています。
総務省の「やさしい地方税」によると、普通徴収は市町村が納税義務者に納税通知書を送り、納税義務者が自分で納める方法です。特別徴収は、給与の支払をする会社などが税金を徴収して代わりに納める方法で、会社員は原則として特別徴収税額通知が会社経由で届き、会社が給与から天引きして納めます(総務省 個人住民税、2026年10月26日確認)。
国税庁の確定申告書等作成コーナーの案内では、給与・公的年金等に係る所得以外の所得に対する住民税は、徴収方法を選択できます。給与から差し引くことを希望する場合は「特別徴収(給与から天引き)」、給与から差し引かず自分で納付する場合は「自分で納付」を選びます。詳細は住所地の都道府県や市区町村に問い合わせるよう書かれています。このページは令和6年分の申告向けの案内です(国税庁 住民税の徴収方法の選択(令和6年分申告)、2026年10月26日確認)。
ここから言えるのは、副業の所得に対する住民税の納め方に選択肢が公的に案内されている、というところまでです。選んだ結果として勤務先に伝わるか伝わらないかは、自治体の運用や所得の種類で変わる可能性があり、この記事では保証できません。副業を本業の勤務先に伝えるかどうかは、勤務先の就業規則に副業の届出や許可の定めがあるかを先に読み、必要なら勤務先の担当者に確認することをすすめます。副業の始め方は、時間・免許・就業規則・費用から副業を比べる記事でも整理しています。
| 納め方 | 誰が納めるか | 公式ページで確認できる説明 |
|---|---|---|
| 特別徴収 | 給与の支払者(会社など)が徴収して納める | 会社員は原則、特別徴収税額通知が会社経由で届き、給与から天引き(総務省) |
| 普通徴収 | 納税義務者が納税通知書に従って市町村へ納める | 市町村が納税通知書を送る(総務省) |
| 副業の所得分の選択 | 申告書で選ぶ | 給与・公的年金等以外の所得は、特別徴収か自分で納付かを選択できる(国税庁の案内。詳細は住所地の自治体へ) |
申告の期限と提出先
所得税の確定申告は原則として翌年2月16日から3月15日までに所轄税務署へ提出し、確定申告をしない場合の住民税の申告は住所地の市区町村へ行います。
国税庁の「確定申告」のページでは、申告等の期間は原則としてその年の翌年2月16日から3月15日まで、申告および納付の期限は原則として翌年3月15日とされ、申告先は所轄税務署です。国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に沿って金額を入力すると申告書を作成・提出できると案内されています(国税庁 No.2020 確定申告、2026年10月26日確認)。
住民税の申告は、確定申告をする人は原則として別に提出する必要がないと案内している自治体があります(さいたま市の例)。確定申告をしない場合の提出時期と様式は自治体によって違う可能性があるため、住所地の市区町村のページで確かめてください(さいたま市 副業の所得が20万円以下の場合、2026年10月26日確認)。
申告前の点検表|自分の場合を整理する
申告の要否は、勤め方、副業の所得、還付申告の有無、住所地の案内の4点を順に見ると整理できます。
| 点検すること | 見る場所 | 分からないとき |
|---|---|---|
| 勤務先が1か所か、2か所以上か | 国税庁 No.1900 | 税務署に確認 |
| 副業の収入から経費を引いた所得はいくらか | 自分の記録(入金記録と領収書) | 税理士に確認 |
| 医療費控除などで還付申告をするか | 国税庁 No.1900 質疑応答 | 税務署に確認 |
| 住所地の市区町村は住民税の申告をどう案内しているか | 市区町村の個人住民税のページ | 市区町村の担当課に確認 |
入金のたびに日付・相手・金額を記録し、副業のために使った費用の領収書を残しておくと、年が明けてからの計算が進めやすくなります。記録の取り方は、個人のインスタで副業を始める手順の記事の運用ルールとあわせて決めておくと、店のアカウントと分けて整理できます。
面貸しや業務委託で収入を得る場合は、契約の形で税の扱いが変わる可能性があります。独立を検討している人は、業務委託・面貸しで独立する前に確認することの記事も参考になります。SNS運用の代行を仕事にする場合の進め方は美容師のSNS運用代行をまとめた記事、免許が要る仕事と要らない仕事の見分け方は美容師免許のセカンドキャリアの記事で扱っています。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 副業の売上が20万円以下なら、確定申告は不要ですか。
- 20万円で見るのは売上ではなく所得です。給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収されている会社員は、給与と退職以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告は原則として不要とされています。根拠は国税庁 No.2020と No.1900で、前の節にリンクがあります。
- Q2. 所得が20万円以下なら、住民税の申告も不要ですか。
- 不要とは限りません。上尾市とさいたま市は、所得税の確定申告をしない場合は副業の所得について住民税の申告が必要と案内しています。自治体で扱いが違う可能性があるため、住所地の市区町村に確認してください。
- Q3. 住民税の納め方を選べば、勤務先に伝わらないのですか。
- この記事では保証できません。国税庁は副業の所得に対する住民税の徴収方法を選択できると案内していますが、結果は自治体の運用などで変わる可能性があるため、詳細は住所地の市区町村に確認してください。
- Q4. 副業が赤字なら、本業の税金は安くなりますか。
- 雑所得の計算上生じた損失は、他の所得と損益通算できないと国税庁の雑所得のページに書かれています。副業が事業所得に当たるかどうかで扱いが変わる可能性があるため、税務署や税理士に確認してください。
- Q5. 経費にできる範囲はどう決まりますか。
- 国税庁は、必要経費を収入を得るために直接必要な費用とし、家事上の経費は必要経費にならないと案内しています。仕事と私用の両方に使うものは、副業に使った部分を明らかに区分できるかが論点です。個別の判断は税務署や税理士に確認してください。
- Q6. 勤務先に副業を言うべきかどうかは、税金の面で決まりますか。
- 税の手続きだけでは決まりません。勤務先の就業規則に副業の届出や許可の定めがあるかを読み、必要なら勤務先の担当者に確認してください。
まとめ
会社員の美容師が副業で得た収入は、経費を引いた所得で見て、給与と退職以外の所得が20万円を超えるかどうかが所得税の確定申告の入口になります(国税庁 No.1900)。所得税の申告が不要でも、住民税は住所地の市区町村の案内で確かめる必要があります。納め方の選択は公的に案内されていますが、勤務先への伝わり方は保証できないため、税務署・市区町村・税理士への確認と、勤務先の就業規則の確認をあわせて行ってください。この記事の公式情報は2026年10月26日に確認した内容で、制度は改正される可能性があります。
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